おはようございます。
ワオのメルマガ担当の松本です。

新型コロナの話題が尽きません。
われわれ美術好きとしては、各地の美術館、博物館が
どこも三月中旬頃まで閉館になっていることが寂しくて
仕方がありません。

こういう状況が続くと、社会に閉塞感が蔓延して、
なんだか息苦しくなります。
人間不信になるのもいけません。

こういう時、平山郁夫先生のラクダの絵を見ると、
感動します。
平和を念頭に置きながら、そこに描かれているのが
人のつながりの素晴らしさだったりするからです。
人間不信はすべての社会の害悪でしかありませんから。
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さて、落ち込んでばかりもいられません。
「日本美術を知っていこう」の第五回目です。

時代は、飛鳥時代から奈良時代へと移り変わります。

奈良時代は、日本の首都が、平城京(奈良県奈良市)に置かれ、天平文化が花開いた時
代。

そうです。『なんと(710年)立派な平城京』と覚えたあの時代です。
つまり、今からおよそ1300年ほど前ということになります。
文化的には、遣唐使によって仏教が直輸入で日本に入り、仏教美術が一気に全国に広ま
ります。
ちなみにこの時代、有名な建築物がいくつか建設されます。
ざっと並べてみました。

①正倉院・・・756年、聖武天皇は56歳の生涯を終えました。残された光明皇太后は77
忌を終えて先帝の遺愛品など六百数十点を東大寺に献納します。正倉院はこれを保管す
る倉庫で、高さ14.5メートル2つの校(あぜ)倉の中間を板壁で密封し中倉とした高床
式の堂々たる建築を今に伝えています。
②薬師寺・・・681年天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気回復を祈願して藤原京に
薬師寺建造をはじめ、697年伽藍の工事を完了しました。平城京へ移転後、数度の災害に
あい、現在残る当時の遺構は東塔のみである。昭和になり、平山郁夫先生が薬師寺玄奘
三蔵院に、『大唐西域壁画』を描く。
③唐招提寺・・・754年、鑑真和上は前後12年を費やし6回目の渡航によってやっと日本
に渡来、熱狂的な歓迎を受けました。聖武上皇らに戒律を授け、759年唐招提寺を創設し
ました。
昭和になり、東山魁夷先生が、襖絵を描く。

これらの建物は、今でも美術家たちの創作意欲を刺激し続けています。
また、『令和』の元号に引用された万葉集がつくられたのもこの時代です。
万葉集は、日本最古の和歌集です。
ちなみにこの『令和』。万葉集の巻五、梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文「~于
時初春月氣淑風梅披鏡前之粉蘭薫~』から引用されています。

日本最古でいえば、『日本書紀』は日本最古の正史です。
やはり、この時代につくられました。

奈良時代は、現代にも響く日本美術の凝縮した姿が横たわっています。

さて、次回は平安時代です。
ついに、大和絵が登場します。。。
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東京オリンピック延期の話が出始めました。
アスリートたちは大丈夫でしょうか。

一日でも早く世の中が明るくなることを願って。
それではみなさん、くれぐれもお体ご自愛ください。